Traditional Music session in Ireland

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そしてなんといってもアイルランドミュージックとして有名なのが、パブで行われるセッションです!!

こんな素敵なセッションが各地のパブで行われます。

 

 

 

ッションは通常、誰かが曲を「出し」て、他の参加者はその曲が演奏できるなら演奏に参加、できないなら静かに聞く、という形式を取ります。ここで曲を「出す」というのは、「この曲をやりましょう」と演奏し始めることを言います。
アイリッシュの曲は短いものが多いので通常何曲かつなげて演奏する(これをセットと呼びます)事が多いですが、普通最初に曲を出すときに、曲を出す人がどういうセットにするか決めておきます。
セットの中で曲が移り変わるタイミングは、予め各曲の演奏回数を決めておいて次の曲に行く、ということもありますが、普通曲出しした人が「次の曲に行くよ-」とばかりに(言葉には出しませんが)周囲に目配せなど合図して知らせます。
セットを終了するときは、曲が変わるときのように終えることを知らせるために目配せすることもありますが、演奏のニュアンスで「終わるよ-」と知らせることもよくあります。
セッションでのセットは周囲の人がスムーズに追従できるように、同じリズムの曲を同じグルーヴ感、スイング加減で演奏してつなげます。

大抵のセッションでは、「ホスト」と呼ばれる、セッションを取り仕切るベテランミュージシャンが設定されていたり、それに類する常連ミュージシャンがいます。ホスト等のセッションの核となる人が曲出しを率先してやるわけです。

 

使われる楽器

フィドル(バイオリン)、アイリッシュフルート、ティンホイッスル、テナーバンジョー、イリアン・パイプス、コンサーティーナ(アングロ)、アコーディオン、オクターブマンドリン(フラットバック)、ブズーキ、ギター、バウロン(ボーラン)、ボーンズ、スプーンズ。
ハーモニカも用いられますが少し音が小さい。ハープやピアノもアイルランド音楽に用いられますが、持ち運び性が悪いのでパブ等でのセッションではあまり見かけません。ウッドベース備え付けの店があったり、最近では比較的軽くて持ち運びやすいエレキウッドベースを使ってる人もたまにいます。
基本的に生音で、音が大きすぎず、小さすぎず、西洋音階(特に次項記載の調が出せるもの)を出せて、速い旋律を奏でることが出来る楽器(音の立ち上がりやレスポンスの良い楽器)がメインの旋律楽器として用いられます。リズム伴奏楽器としてこれらの旋律楽器を邪魔せず引き立てることができるような楽器が用いられます。

演奏される曲

セッションで演奏される殆どの曲はニ長調、ト長調、それより少し頻度が下がってイ長調、ハ長調です。移調楽器はこれらが演奏できる調のものを通常使います。例えばティンホイッスルではD管がメインです。イ長調、ハ長調の曲はフィドル向けの曲に多いです。
セッションの場所・参加者によって、頻出曲がしばしば異なります。そのセッションで演奏される曲を覚えるのに一番いい方法は、そのセッションに通って頻出曲を耳で覚えることです。
録音するのもそのセッションの曲を早く仕入れるいい方法です。演奏の録音を嫌がる人はあまりいませんが、録音の際には周囲に一声かけるのが理想です。あ、録音機だけ置いて席を外すのはやめましょう。音楽は人あってのもの。音楽とその音楽を共有している人たちに敬意を払いましょう。

セッション初心者(演奏者)が気をつけるべきこと

まず、セッションというのは音楽を通して交流をはかる場、共同してイイ音楽空間を作りたい人たちの集う場であって、まわりを無視して腕試しをしたり腕前を見せびらかす場ではありません。
初めてのセッションではまず、ホストに挨拶して演奏する許可を得てから参加するのが鉄則です。そのセッションの既存の人たち(すでに音楽を通した友人同士です)は友人同士で音楽を楽しむためにセッションしているわけで、行きずりの友だちになる気もない人と一緒に演奏したいわけではありません。セッションに参加するというのは、そのセッションのコミュニティーに参加するということですから、そのコミュニティーの文化をまずは受け入れましょう。郷にいれば郷に従えです。音楽を愛する心を持っていればそのコミュニティーに快く受け入れてもらえるはずです。

初心者向けのセッションでは臆さずどんどん出来る曲を出していけばよいのですが、理想では周りとグルーヴを合わせて一つの音楽にすることが求められます。
演奏しながら、しっかり周囲の音を聞くだけの余裕が必要とされるわけです。
アイリッシュのリズムはスイングの加減やアクセントの置き場所などセッションに参加する人や、セッションが行われる場所によって微妙にことなりますので、郷にいれば郷に従え、という感じで周囲に演奏のスタイルを合わせる柔軟性が求められます。初めて参加するセッションでは、そのセッションの音楽性を見極めるのに少し時間が必要ですから、ホストから演奏を促されてから演奏を始めるというのがマナーです。
高い音楽性を求める人達の集うセッションでは、この辺りが厳しく評価されます。初心者ウェルカムなセッションでも、あまり自分勝手に振る舞わずホストの人などとよくコミュニケーションしながら、自分の演奏がどのレベルにあるのか謙虚に探っていきましょう。

曲出しした人の演奏に周囲が合わせるというのが基本です。合わせると言っても細かな装飾音の付け方まで曲出しした人のものをコピーしなければいけないわけではありません。あくまでスイング感の加減やグルーヴ感に関してのことです。
自分の演奏スタイルをやりたい場合は自分で曲出し出来るようになりましょう(途中で大きく失敗せずにセットで曲を出せるようになる必要があります)。曲出しした人のグルーヴを後から演奏した人が乗っ取ってしまうことは好ましくありません。

セットの中で曲が移り変わるときに、曲出しした人が目配せすると書きました。初心者が陥りやすい誤りとして、自分がうながされて曲出しした時に自信の無さから下手に周囲とアイコンタクトして(次の曲に移らない時に)、周囲を混乱させてしまうというものがあります。曲出しをした以上、あなたがしっかりリーダーとなってそのセットで周囲のベテランを牽引しないといけません。

セッションは練習会ではありません。パブ等のセッションでは他のお客さんもいます。少しくらいなら曲のメロディーを確認するために音を出すのも構わないと思いますが、てんでバラバラにセッションで曲を練習するということはやめましょう。

アイルランド音楽は「耳で覚える」音楽なので、「聴く」ということが非常に大切です。独特のグルーヴ感は楽譜を見ての練習では得られません。自分が演奏できない曲の時にもしっかり聴くことでセッションに参加しましょう。そのセッションの常連たちの音楽性を耳で学ぶことで、演奏への参加もスムーズになります。
また、アイルランド音楽習得の基本は、その曲を鼻歌で歌えるようになることです(多少音痴でも頭のなかにしっかりイメージができればOKです)。演奏は頭のなかにある曲のイメージを具現化していく作業なのでまず、頭のなかに曲のイメージをしっかり作ることが大切です。
アイルランド伝統曲は膨大な数のレパートリーが有ります。ベテランはその中から自在に曲を組み合わせてセッションでセットを作るので、初心者は「なかなか自分の出来る曲がでてこないな」、と思うかもしれません。そういう時は、「この曲をやりたいです」とリクエストしてもいいですが、自分の知らない曲を覚えるチャンスですから集中して聴きましょう。「この曲の名前はなんですか?」というような会話の積み重ねでそのセッションの常連とのつながりが深まります。その人のレパートリー、演奏スタイルはその人の歴史を物語るといった類のもので、一朝一夕で身につかないからこそ面白いのです。口伝音楽ですから、是非曲を人から教えてもらって、ひとつひとつの曲に思い出を込めてください。

まれに、セッション風のライブ(クローズドなセッション)が行われていることがあります。こういうのはお店の意向で演奏者が限定されていますので、お店の人やミュージシャンにオープンなセッションかどうか聞いてみましょう。

厳しいことをいろいろ書きましたが、日本では初心者にやさしいセッションが多いので怖がる必要まではない、と付記しておきます。

リズム楽器での参加について(ギター等のコード彈き、バウロンなどのパーカッション)

アイルランド音楽は旋律主体のメロディー音楽です。メロディーにリズムが内包されている音楽であり、旋律楽器がリズムを決定します。したがって、バウロン(アイリッシュドラム)やギターなどのリズム伴奏楽器は、旋律楽器の奏でるリズムに合わせることが求められます。
ロックやジャズと違って、リズム楽器が全体のリズムを決定するのではありません。逆です。
なので、リズム楽器は常に控えめに、旋律がよく聞こえるように、旋律を殺さないように、旋律に寄り添うように演奏しましょう。
メロディーの抑揚を考慮せずにギターでジャカジャカやったり、パーカッションでドコドコやったりすると、セッションを壊している、と嫌われてしまいます。
旋律から感じられるリズム感というのは非常に繊細なものです。リズム楽器が独自のリズムを奏で始めるとすぐに打ち消されてしまいます。リズム楽器演奏者は特に注意しましょう。
アイリッシュでの使えるリズムパターンはそう多くありません。基本となるリズムパターンをいくつか習得(各種音源を聴いたり、うまい伴奏者の演奏を聞いたりして)した後、旋律楽器演奏者のつけるアクセントを感じられるように耳を鍛えましょう。
ティンホイッスルは比較的抑揚をつけにくい楽器なので、伴奏のリズムと喧嘩しにくいと言えます。が、伴奏者はアイリッシュのリズムになるように心がけましょう。

演奏のグルーヴ感を合わせるということ

初心者にありがちなこととして、演奏しているうちにどんどんテンポがはやくなってしまう、というものがあります(意図的にテンポアップしている分には構いません)。これは、スイング感やグルーヴを感じることができずに、必死にメロディーをなぞって演奏しているという時に起こりやすい現象です。(似たような現象として、朗読などで暗誦する時なども気をつけていないとスルスルと速くそらんじてしまうという現象が起こります。)聞こえている音(自分の音を含む)に自分の演奏が振り回されている時に起こりやすいとも言えます。
また、テンポを早く演奏することでグルーヴ感のある演奏をしているつもりになって、やたらと速く演奏したくなってしまう、ということも初心者に見られがちです。実はCD音源などのプロの演奏をスロー再生してみると、いくら早いテンポの演奏でもかなりキツめのスイングがかかっていたりします。初心者はグルーヴ感、スイング感がつかめるまでむやみに早いテンポで練習せず、ゆっくりした演奏でスイング感が出るように練習しましょう。
セッションでは、自分や周囲が出す音に、瞬間瞬間(各拍ごとに)に振り回されるのではなくて、ひとつのグルーブとして(旋律の塊として)音の流れがイメージできる必要があります。聞こえている音に合わせるのではなくて、頭のなかにあるしっかりしたイメージに合わせて音を出す、ということが必要です。もちろん前述のように、そのイメージを周囲の音を聞きながら周囲に合わせて常に調整する必要がありますが、一つのセットを通してグルーヴ感を変化させることはありませんので、セットのさわりを聞けばそのセットのグルーヴ感の大枠は把握できます。

 

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